映画【凶悪】に見る、人間のおそろしさについて、など。
夜ですがこんにちは、スイミンです。本日2記事目となる今回は、
というか日付が変わってしまいましたが(笑)、
映画【凶悪】のおはなしです。
この映画は、新潮社編集部がまとめた書、
「凶悪ーある死刑囚の告発」
がもとになっているノンフィクション作品で、
私は原作になったほうは読んでいません。
山田孝之くんファンでありまして(いろいろいる・(笑)
一番好きなのはやっぱりウシジマ君とか、クローズとかです。
山田くんだから観たのですが、ノンフィクションなので実際に起きた事件の話で、ここでは事件の話は書きません。
映画レビュー的なはなしと、高齢化が問題になっている日本のおはなしの絡み記事です。
まず、【凶悪】は、山田孝之くんは記者役であり、そして、死刑囚役はピエール瀧さんで、「先生」と呼ばれる老人をターゲットにした極悪人役を、リリー・フランキーさんが演じております。
リリー・フランキーさんは、「そして父になる」などで明るい父親役なども演じていますし、
CMなどでも優しげでありますが、私はどうしても、リリー・フランキーさんを見るたびに、
老人の首を絞めたりその他、恐ろしいことをするイメージを思い出してしまいます。それくらい名演技かつ、ハマり役だったということですが。
アマゾンに飛びます↑。画像代わりに使わせていただきました。
とにかく悲惨で残酷であり、高齢者を抱える家族の心の闇があまりにも濃すぎる内容ですが、
私はそういった、特に家族の心の闇などについては、全く非現実的ではなくむしろ、
たくさん存在するものだとの感想を持っています。
そのうえでのおはなしになりますが、
そういう闇につけ込んだ犯罪者たちの残酷さぶりは、筆舌に尽くしがたいです。
心の闇がなぜあんなにも濃く、深くなるのかというと、高齢者を抱えているからではなく、
すべては、お金です。そして精神的な疲れ。
映画からの引用ですが、借金のある自営の家族が、祖父に早く死んでほしいと願うのも保険金が目当てであり、
また、その借金は誰のせいだというはなしになると、もう終わりがない闇です。
日本は確かに少子高齢化社会であり、老老介護などのワードが普通に出てきますが、一方で、
高齢者の方々の元気を後押しする形でいろいろな健康食品をバンバン販売して儲けている企業も少なくありません。
それらは決して悪ではないですが、高齢者向けの営業をしておきながら、高齢化社会を嘆く人間はたくさんいるはずです。
つまり、「商品」だと思っている。
そういった点では、映画【凶悪】に出てくる、
「先生」と、思考回路は何も変わらない。これが本当に恐ろしいことだと感じます。
私はよく、夜更けまでケーブルテレビで映画を観たりしています。
チャンネルによっては、間にCMが入ることがあります。
どんなCMかというと、
なんとかパワーだとか、
動脈硬化を防ぐエキスだとか、
脳梗塞を予防するエキスだとか、
活性酸素をなくしてガンを防げる飲みものだとか、
「みなさん元気で長生きしましょう」
的な商品の通販CMばかりです。
さまざまな病名をあげて、不安を煽りつつ、でも大丈夫です、
という宣伝スタイルには恐怖すら感じます。
映画【凶悪】を思い出してしまうのです。
少子高齢化、と言われて久しいですが、ここ、23区内は少子化ではないのが現状です。
子どもは多いんですよ。日常生活においても、
少子化は23区内では当てはまりません。
ただし、高齢者の方も多いです。
つまり、どちらも多いわけです。
私は過疎化が進む土地に暮らしたことがありません。だから、過疎化が進む土地に暮らしている方たちにとっては、本当に少子高齢化は身に迫る現実なのだと思います。
しかし、ここは違う。23区内は一種のカオスです。どれもこれもが当てはまり、そして当てはまらない。
私の予想ですが、
世代が代わったら、高齢化はなくなるだろうと普通に思える状態です。
つまり、今の子どもたちが大人になった頃ですね。
生き物はみんな必ず歳を取るので、
今現在で、高齢者は必要ない、いないほうがよい、
税金の無駄遣いである、
と叫ぶ若い人たちも、100年後にはこの世にいないわけです。
若い時期はあっという間に過ぎ去ります。(これは本当。)
そして、中年期にさしかかり、自分が老人になったとき、
何を思うだろうかと、だんだん考え始めると、
長生きしたくないから早く死にたい、となります。
私はそれは、ちょっと想像力が足りない発想であると思います。
なぜなら、人はいつ、どこでいきなり死ぬかわからないからであり、
長生きしたくない、というのは、
長生きできると思っているからこそ、
出てくる言葉だからです。
そして、
長生きするとろくなことがない。
それを覆したのが、今の高齢者の方々であり、健康寿命が伸びたため、みなさん生き生きと過ごされています。(全員ではありませんが)
ろくなことがない。どころか、逆なことも多々あるわけです。
そう考えると、少し希望のようなものが湧きますよね。
ところが、生きるためにはお金が必要です。
となるから、
映画【凶悪】の事件に繋がってゆくイメージがあります。
映画の中でリリー・フランキー演じる「先生」は、
決して若くはありません。むしろ、老人に近いのです。ただし、まだ働けて動けるため、
さらに高齢の人たちや、その家族を食い物にしていきます。
普通に考えれば、10年後、20年後は同じような身になっているような人間ですら、
まだお金に執着している。それも、異様なほどに執着している。そして、人間を「商品」だと思っている。
恐ろしいことだと思うのです。
ところが、そうやって回っている経済もある。本当に終わりのないはなしです。(終わりがない、イメージと化してしまっています。)
少子高齢化社会だからこそ回っている経済が、世代交代により、
いっとき、破綻するときは必ずくるわけであり、
人は日々死へと向かって生きているので、
あれが悪い。これが良くない。もっとこうだったらいい社会なのに。
と思う、自分にとっての「いい社会」とか、
「幸せな人生」
というものを、今一度見直したい気持ちになる、
ノンフィクション映画【凶悪】、
今の日本の社会にモヤモヤしている人におすすめしたいと思いました。
私が全くモヤモヤしていないわけではないですけれどね。
ただ、
「いなくなればいいのに」
と、誰かや、不特定多数の誰かにもし思っている人がいたとしたら、
自分もいずれそう思われる日がくること、もしかしたら若くても誰かにそう思われているかもしれないこと、それも見ず知らずの人に思われているかもしれないこと、
今の自分がどれだけ周りの人を幸せにできているか、いないか、
今一度よく考えるべきだな、と、
あの映画を思い出すたびに、感じるのでした。
これ以上掘り下げると記事自体が本当に終わりがなくなってしまうので、このへんで終了したいと思います。中途半端ですみません。
最後に言いたいのですが、人は、他人を自分に置き換えて痛みや悲しみを知ることができません。
だからこそ、一部の情報に惑わされ、あたかもその人たちになったかのように発言するのは、大変危険であると思います。その人たちがどのようにして生まれてから今まで生きてきたのかを、何も知らないわけですから。
長くなってしまいましたが、
私もまだまだなってない。ところが盛りだくさん。
ですので、これからもよろしくお願いいたします!
そして、お読みくださって、誠にありがとうございました。
スイミン(skyaya)