生き物にまみれて暮らす主婦レポート in 東京

生き物に関する知識と、栄養管理士の資格などを駆使して日々試行錯誤しているダイアリーです。

田舎がない。という不思議と、ニホンゴの不思議。

注)両親が他界したから田舎がありません、という内容ではないので、初めに明記します。


私には田舎がありません。

というか、厳密に言うと、実家、も本当はありません。
ここは都内ですが、とにかくありません。

※この記事は長いです。予めご了承ください。

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田舎がない理由。


祖父母の前の、ひい祖父母の時代から、私の家系は、東京のどこかしらに住んでいました。


下町ではないし、地主さんでもないのですが、母方のおばあちゃんの時代はパーマ屋さんをやっていました。

一方、父方のおじいちゃんは、ものすごい酒飲みだったらしいのですが、都内の大学の教授で、酔っぱらいながら講義していたらしいです。

図書館に行くと、おじいちゃんの本があります。


でも、会ったことがありません(父が高校生の時に他界)。

で、父方のおばあちゃんが、生粋の下町っ子で、その酔っぱらいのおじいちゃんと結婚し、おじいちゃんが他界したのち、

どこで知り合ったのか不明ですが、別のおじいちゃんと亡くなるまでずっと同棲していました。


父と母は、高校の同級生であり、お互いに大学に行ったり就職したり。ののちに結婚し、

私が産まれました(長女)。

そして、私含め弟たち二人も独立したり、一人暮らししたり結婚したり、で、

いきなり何を思ったのか、

両親は、埼玉県のかなり奥のほうに引っ越しました。

あっという間に決めたので当時びっくりして、理由を聞いてみたところ、

「東京はもう飽きたから」…

ちょっと田舎のほうに行って、のんびり暮らしたいとかで、

小さい中古の戸建を買って引っ越しました。

というか、埼玉県てそんなに田舎じゃなくない?

ちょっと突っこみたかったですが、そんなわけで、
両親が家ごと引っ越ししたあと、

もといた土地には新しい建物が建ったので、

私には田舎(実家)がなくなりました。


新しい実家。実家と言うのかわからない


産まれ育った場所を通りかかると、跡形もない、というのはけっこうショッキングなものです。

でも、人間というのは便利にできているみたいで、だんだんと慣れてしまい、

今では、ないのが普通になってしまいました。

それどころか、建て売り住宅が立ち並び、どんな家だったかも思い出せない有り様です。


が、問題なのが、新しい実家。というか、両親が住んでいるところ。


そこを、果たして「実家」と呼んでいいものか。

「実家」という字は、「実の家」ですよね。

ちょっと気になったので、国語辞典で調べてみました。


・じっか(実家)

 人の生家。(狭義では、婚姻・縁組などをして家を出た人が以前に居た家を指す)⇔義家


うーん。やっぱり、両親の新しい家を、実家、と呼んではいけないのか。と、改めて、ちょっとガッカリ。


では、なんて呼べばいいのだろう、と考えてみるものの、両親が住んでいるところなので、

どうしても、実家。と、つい言ってしまうことがしばしば。ブログでも書いてますし。

「両親のところ」とか、「両親が住んでいる家」

と言うと、何か訳ありみたいでおかしな感じがするんですよね。

両親が健在なので、贅沢な悩みなんですが。(ごめんなさい。)

母は、一度病気で死にかけたのですが、復活し、さらに強くなったし。


都内出身で、ご両親が昔離婚されていて、お母さんと暮らしていた友人も、「実家のお母さん」と言っていました。

じゃあ、もう、実家でいいや。
と思いますが、このような、

呼び方がわからない状況

というのは、けっこう、困っている人が多いんじゃないかなと思います。

実家じゃないのに、なぜか出てくる家継ぎ?問題。


呼び方はさておけないですが、そういう家でも、両親が住んでいるところ。

なので、万が一亡きあと、な話も出てきます。

つまり、家をどうするのか、ということです。
(そこのとこ、もうちょっと考えてから引っ越してほしかった。)

私の弟たちは、長男が福岡県で結婚生活をしており、どうやらその地でずっと頑張っていく予定のようです。

そして、次男ですが、こちらは社会人で、まだ30ちょい、花の独身であります。

両親は、この次男くんを、めちゃくちゃ頼りにしています。(とにかく親思いで情に熱いので。)


何しろ、私は相変わらず都内にいるし姓も違うし、
(いまのところ)両親のところに帰る気配もなし。

長男はもっと帰る気配なし。

一方で次男くんは、(いまのところ)フットワークが軽いので。都内にいるし。

でもねぇ。

もし、結婚したら、同居するのか、とか、
果たして同居できるのか?

田舎でのんびり暮らしたいとか言って、引っ越した
あの両親には、たぶん無理です。

同居はしたくないそうです。

でも、次男はその気はあるらしい。

世間とは逆パターン。

いろんな意味で逆パターンな、私の家系。


母は、東京に来るとき、こちらに「帰る」と言う


世の中、帰省する、というワードを普通によく聞きます。

またしても気になったので、国語辞典で調べてみました。


・きせい(帰省)ーする

 郷里に帰る(帰って親の安否を尋ねる)こと。



ほーらね、帰る、はおかしいでしょ!
(おばあちゃんは、だいぶ前に他界しているし、おじいちゃんはもっと前に他界。)

と、母に言いたいのですが、母としては、

「郷里に帰る」感覚があると思うので、なんとなく言えません。

でも、その母の「郷里」には、今はいとこの叔父さん(母の兄)が住んでいて、別に叔父さんのところへ行くわけでもなく、

ただ、うちに(私の家に)来たりする時に、母は、

「ちょっと用事があるからそっちに帰るから」

などと言うわけです。

本当に、いろんな意味で逆パターンな人たちだよね。別に、慣れたからいいんだけど。

日本語って不思議です。


帰省できる実家がある夫が羨ましい


うちの夫さんは、埼玉県出身で、ちゃんと「実家」もあります。

埼玉県の話が多いですが、夫と私の両親の引っ越しには何も関係がありません。

その夫の、お母さん(義母さん)にも、「実家」がちゃんとあって、あまり詳しく知りませんが、神奈川県にあります。

やっと違う地名が出てきた!なんか嬉しい。

義父さんは、苦労人な人で、天涯孤独な人だったのでやはり、「実家」はなし。

で、この夫さんが、たまに実家へ電話するとき

「ちょっと実家に電話するわ」

とか、言うわけです。日常会話でも、

「実家のほうの○○がさぁ」
「うちの実家の近所のなんとかが」

などなど、

実家普通使いしている。

実家を、実家、と呼んでいいのかわからない私にとっては、

なんかすごい羨ましい。

さらには、テレビでも、ニュースなどでお盆の時期などによく耳にする

帰省ラッシュがピークを迎えています」
Uターンラッシュ、明日がピークの見込み」

あーそーですか!

羨ましいな!

「郷里の○○に帰ってきました」
「帰省してのんびりしてくるね~」

とかさ。

帰る場所があるって、幸せなことじゃないですかぁ~。
懐かしい場所がまだある、とか。
景色があまり変わっていない、とか。

私にとっては、ファンタジーの世界です。
幸せ感しかありません。

私も一回でいいから、「実家に帰省」してみたいのです。できないけど。


子どもの「実家」でいたい


ここは都内ですが、でも、将来、子どもが独立したり、結婚したりしても、
今いる、この家の存在は、

子どもにとっては、実家であり、故郷。

なので、いろいろさみしいこともあるけど、私はこの家に、ずーっといたい。
と、思います。できれば。

(ちなみに、同居願望がないのは親ゆずり)

なんかね。場所がどこでも、いつか、帰れる場所があるって、やっぱり、幸せなことだと思うので。
変わらない場所とか。


というか、たぶん、日本語が悪いんだ、すべて。

まったく、紛らわしいニホンゴめ!

ここが私の故郷だもんね。フン!


長々とおつきあいくださり、ありがとうございました。