生き物にまみれて暮らす主婦レポート in 東京

生き物に関する知識と、栄養管理士の資格などを駆使して日々試行錯誤しているダイアリーです。

鳥インフルエンザにまつわるおはなし。


みなさんは、鳥インフルエンザ、と聞くとどのようなイメージがあるでしょうか。

やはり、


鶏から感染。

みたいなイメージがあるのではないかな、と思います。私もそう思っていました。

そこで、イチ鶏飼いとして、鳥インフルエンザについて書いていきたいと思います。


鳥インフルエンザはA型。感染経路は人もアリ



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鳥インフルエンザは、主に人で言うところの、インフルエンザA型になります。


ここでは、主に鶏や野鳥がどのように感染するのか?について書いていきます。

まず、鶏(や野鳥)がインフルエンザに感染するのは、他の感染した鳥のフンなどと接触することです。こういうところから感染し、一気に広がるというのが、まず第一感染経路です。

ところが、意外なことに、

インフルエンザ菌を持った人間からも、感染します。
それはひとまず置いておいて、

養鶏場などでいきなり鳥インフルエンザが流行するのは、

ある日突然、1羽の鶏自身が発症するのではなく、感染経路は外部からによるものです。

つまり、鶏にしてみれば、被害者になるんですね。


野鳥がインフルエンザ菌を運んでくるのも、やはり他の感染源に接触したからです。

よく、鳥インフルエンザが流行ると、数百羽もの鶏が殺処分にされてしまいますが、あれは本当に可哀想なことなんです。


人から鳥への感染もある。



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インフルエンザ菌を持った人間が、鳥に接触することで逆に鳥に感染することもあります。

鳥がうつるのは、インフルエンザA型のみなので、
A型にかかっている人間と接触すれば、鳥もインフルエンザにかかってしまうおそれがあります。

つまり、鳥インフルエンザというのは、

鳥がかかったからそう呼ばれるだけであり、
その正体は、インフルエンザのA型です。

ですから、インフルエンザB型は鳥にはうつらないし、

一般的に鳥インフルエンザ、と呼ばれるものは、

インフルエンザA型なだけで、鳥インフルエンザ菌、というものは存在しないんですね。


烏骨鶏がいる我が家もひやひやしました


年の瀬に、息子がインフルエンザにかかり、まだインフルエンザの何型かわからないときに私たちが真っ先にやったことが、

飼っている烏骨鶏さんたちの隔離、でした。

万が一、インフルエンザA型だとしたらうつるからです。そして、烏骨鶏にうつると、人間とは違い、
ずっと生死に関わる率が高くなるからです。

幸い、息子はインフルエンザB型だったので大丈夫でしたが、ひやひやしました。

このように、鳥に感染するのはインフルエンザA型であり、人からもうつる危険性は、飼われている鳥・鶏ならいくらでもあるわけなんです。


鶏がインフルエンザになるのは外で飼っているから


これはもう、養鶏場さんとかだと仕方がないことですが、鶏がインフルエンザにかかってしまうのは、

先にも書いたように、菌を持った野鳥などのフンなどから主に感染します。

ですから、大きな養鶏場さんは鶏がインフルエンザを万が一発症すると大変な目に遭ってしまうため、非常に気をつけています。

ですが、個人で飼っている場合、インフルエンザは室内飼いにすることで、100%外からの感染は防げます。


ちなみに、東京都には、動物愛護相談センターや、保健福祉局などがありますが、家禽類を飼う場合は法律で「飼っています」という届け出をする義務があります(他県も同じ。そして、うずら等も含まれます)。

そして万が一、鶏特有のニューカッスル病や、鳥インフルエンザになった鶏がいた場合、

即刻申し出ることになっていて、こうしたセンターなどでは常に、主な養鶏場などで重大な集団感染病が発生していないか、把握しています。

そして、今現在、そういった情報はありません。

ところが、例えば個人で飼っている人が、鶏を放し飼いにしていて、その鶏が、ニューカッスルやインフルエンザにかかり、亡くなってしまったときに、

なぜ亡くなったのか不明なまま、特に届け出をしない、ということがありえます。


すると、その地域の保護センターなどに情報が伝わらないため、

例えば亡くなった鶏のいた敷地に入り込んだ野鳥がインフルエンザなどにかかり、


その野鳥が保菌者となって、最終的に養鶏場さんが被害に遭うといったこともありえます。


ですから、個人で飼う場合でも、必ず届け出を済ませ、出来れば野鳥が侵入できない環境で飼育する必要があります。

上からネットで覆ったり、外部の鳥と接触できないようにすれば、こういったおそろしい事態がだいぶ防げるということになります。



このような感じで、



鳥インフルエンザで大量に鶏が殺処分になりました、などというニュースが流れると、あたかもその養鶏場の中でいきなり鶏がインフルエンザを発症し、広がった、と勘違いしがちですが、

実は、養鶏場の鶏さんたちは完全なる被害者であり、養鶏場自体にもほとんど落ち度がないことがほとんどなんですね。



というわけで、鳥インフルエンザというものは、

実はインフルエンザA型であるということ、

単体の鶏の本体から発症することはないということ(当たり前ですが)、

そして、人間が媒介になってしまう場合もある、

というおはなしでした。


鳥インフルエンザについて、少しでも正しい知識が広まり、鶏や野鳥に対する見方や接し方が少しでも変わったらいいな、と思います。

※補足・インフルエンザは食べ物からはうつらないので、感染の疑いのある鶏肉を万が一食べてしまったとしても、加熱していればほとんど問題はありません。※



以上、鳥インフルエンザにまつわるおはなし、でした。

足りない部分がありましたら、また随時更新していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。




skyaya