「さよなら、そしてこんにちは」荻原浩 週末は本を読もうよ③
またしても日曜日の更新になってしまったので、
週末じゃなくて、週頭にしたら?という感じですが、
荻原浩さんの短編集、
「さよなら、そしてこんにちは」
が、まさかの表紙つきで見つかったのでこれは絶対に書きたい!と思います。
私がファンになったのは、
「千年樹」からですが、こういった代表作から何から何まで、
あんまり面白くないものが特に見当たらない。
稀有な作家さんのうちの一人だと思います。
前回も短編集のご紹介でしたが、
今回も、面白い作家さんの最高の短編集、
「さよなら、そしてこんにちは」 荻原浩
のご紹介です。
7編あり、表題の、さよなら、そしてこんにちは
から始まります。
例によって、短編集のため、あらすじ書きません(書けません)。
書評・読みどころ、感想
ひとことで言うと、いろんな種類の短い映画を読んでいるかのような味わいです。
つまり、悲喜交々、それぞれの話で、笑えるような話から、ちょっぴり切ない話、登場人物の特徴や性別、職業もバラバラ。
いろんな人の人生の大事な一場面をまるごと感じることができます。
とりあえず、7話分の読みどころと感想を。
さよなら、そしてこんにちは
職業が葬儀やさんにも関わらず、主人公の思考回路や言動に思わずクスッと笑いつつもひやっとしたり、救われる気持ちになります。
やっちまったね、お父さん、な田舎生活へのいきなりの転向。家族全員どうなっちゃうの、自分だったらやっぱり無理だわ、と感じるものの、何だかんだで、なんとかなりそう…?頑張れ息子。
スーパーマンの憂鬱
私はこれを読んでから、スーパーなどの販売業は本当に大変だと感じつつ、スーパー(ネタバレ)にいくたびに、なるほどなるほど、と思ってしまいます。今日はどこから情報を得たのかなぁ、とか。
美獣戦隊ナイトレンジャー
子持ち主婦あるある、から始まり、なんか面白い展開になっていき、ラストはほろりとくるのが、これです。子どもの夢は守らなきゃいけません!
寿し辰のいちばん長い日
ちょっと可哀想にも思うけれど、なるほど、(悪知恵には)そういう手もあったか、とつい感心してしまうお話し。寿司でやってしまいますか…。
自分の仕事にちょっと似ていて(私は料理ではない)、わかる気がするところも多いものの、初めから仕事にのめり込みすぎな女性に厭な予感がふつふつ湧いてきて、やっぱりね、という感じです。
何事も、ほどほどがいいのかも…。
長福寺のメリークリスマス
お寺の住職さんも、やっぱり自分の娘には弱いんだなぁ、(ネタバレ)とほのぼのしてしまいます。
奥さんのキャラが素晴らしい。
このような感じで、全体的に、救われないような暗い話はないです。
テンポよく読めるところも荻原浩マジック。
それぞれの登場人物は、特に特筆すべきこともない、身近にいそうな「普通の人」ばかり。
けれども人間には、こんなにドラマがいっぱい転がっているんだなぁ、
もしかしたら、「普通の人」なんてそもそもいないのかもな、
なんていうことも思う短編集です。
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まだ読んだことのない人はぜひ、一度読んでみてください。
以上、
「さよなら、そしてこんにちは」 荻原浩
のご紹介でした(^-^)
ありがとうございました。
skyaya